零ノ至港

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JR北海道の再建について

JR北海道の現状

1987年国鉄は分割民営化されました。特にJR北海道でははじめから経営難になることを想定して経営安定基金を多く保有することとなりました。しかしバスなどの競争や無料高速道路の拡張、過疎化や人口減少、炭田の閉鎖などで赤字路線が多く次々と廃線されていきます。

このままいくと北海道新幹線・貨物路線・札幌都市圏の路線以外は廃線となるでしょう。

今回はJR北海道の赤字額550億円を解消し、黒字化達成するにはどうするか考えてみました。

 

赤字路線5路線廃線

留萌線、石勝線夕張支線の全線、札沼線北海道医療大学新十津川駅間、根室線富良野新得駅間、日高線廃線されます。

夕張線などはすべて廃線されていますが、これらすべて廃線にすると営業費用約28億円浮きます。

 

国や自治体で営業継続する路線

石北線(新旭川~上川~網走)、宗谷線(名寄~稚内)、釧網線(東釧路~網走)根室線(滝川~富良野・釧路~根室)、室蘭線(沼ノ端~岩見沢)、富良野線日高線(苫小牧~鴎川)は国や自治体の支援を受けて継続する方針です。つまり赤字額約134億円を自治体などが負担するという形になるのでしょうか?廃線するとさらに27億円浮きます。

JR北海道が維持困難な路線すべて廃止すると約190億円浮きます。しかしそれだけでは赤字解消は不可能でしょう。

 

北海道新幹線幌延伸時での在来線分離

2030年前後には北海道新幹線新函館北斗から札幌まで延伸される予定です。これにより函館~小樽間の在来線は経営分離され、道南いさりび鉄道となります。

これにより138億円の営業費用とその中の89億円の赤字を手放すこととなります。

 

どっちにしろ赤字で運賃が上がり、自治体の負担が増えることには変わりないでしょう。しかし、函館~長万部は貨物輸送の需要は高いため存続できでしょう。

 

ただ長万部~小樽となると貨物路線の需要はないうえに利用者数が少なくなるために経営難で最悪廃線は起きるでしょう。しかし有珠山噴火時の迂回ルートとしては役立つので残してほしいですね。実際有珠山噴火で北海道新幹線のルートが南回りから北回りになりましたからね。

 

これにより計330億円の赤字解消であと220億円です。

 

札幌圏の赤字を減らすためには

札幌圏の赤字は約30億円、その他維持可能な路線での赤字は170億円、北海道新幹線赤字は100億円です。あと220億(困難路線維持なら250億)円の赤字解消すればJR北海道の鉄道事業は黒字です。不動産事業も含めればあと120 ~150億円です。

 

札幌圏ではここ30年で北海道で唯一人口が増加し、札幌一極集中化しています。またインバウンド効果などで札幌~新千歳間の利用は増加傾向で、今年から快速エアポートの増線を発表しました。

営業係数は100~130なので除雪の政府援助やグループ内での改革次第では黒字は不可能ではないでしょう。

 

北海道新幹線の効果

現在では新青森新函館北斗間では営業係数は約200で100億円の赤字となっています。

 

ただ函館~札幌間の特急需要や同じくらいの距離の福岡~鹿児島間のシェアを見ると、自家用車から新幹線へシェアは移り、それだけで1日8000人は見込めるでしょう。

また、過去にも新幹線開通による新規での利用増加が博多~熊本では1.4倍、新青森新函館北斗は1.7倍もありました。これを当てはめると3000人は増えると思います。

 

また東北や函館・北関東の航空客からも確実にシェアを獲得ができ、1日4000人。

 

羽田から札幌にかけてですが、仮に新幹線高速化がなくても、雪による欠航や羽田から都心まで遠い点、新千歳空港から札幌まで遠いので年間1000万人の航空客から300万人は取り込めるのではと思っています(1日8000人)。札幌駅の利用者は最低でも1日2万人、青森~新函館北斗間は倍に増え、赤字は消えると思います。少なくとも新青森~札幌間は熊本~鹿児島中央並みの収益で200億円の黒字と赤字100億円減少ででJR北海道の黒字化は不可能ではないでしょう。

 

あとは首都圏から航空客を呼び込むかでJR北海道の運命が変わります。

 

東北・北海道新幹線の高速化とリニア延伸したら

仮に東京~札幌間を4時間半なら4割、4時間なら半分のシェアを獲得し、利用者数は札幌では1日5000人増えます。函館も1日2000人増えるでしょう。

 

となるとリニア延伸によって名古屋から札幌までの所要時間は約5時間になります。大阪からも5.20時間くらいになります。もし常磐リニア新幹線で仙台延伸までしたらそれぞれ約30分の短縮になります。札幌までさらに1日5000人利用者が増え、札幌駅の利用者数は3万人となります。

黒字額がさらに100億円増え、維持困難な在来線が維持可能となるでしょう。

 

まとめ

JR北海道の黒字化に向けて必要なのは赤字路線の対応と北海道新幹線です。 

特に2031年北海道新幹線幌延伸だけで赤字額は400億円減ると予想しています。青森~函館は今は赤字でも札幌への需要増加で黒字に転換になるはずです。

 

特に北海道新幹線でどこまで客を呼び込めるかで運命は変わっていくでしょう。