零ノ至港

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地政学の歴史(世界史)

国防に関する安全保障に関する投稿は初めてです💦中東政策や極東情勢などの現代をよりよく知るために地政学の歴史について書きます!

 

地政学とは

地政学とはは地理的な環境が国家に与える政治的(主に国際政治)、軍事的、経済的な影響などを巨視的な視点で研究するものです。わかりやすく言えば覇権国争いです。

 

国力として必要なのは生存適地や食料、エネルギー、陸路や海路、自給率などです。あとは地形や軍事力、工業力、技術、交通の要所、周辺国なども関わっています。

特に軍事力、資源地帯、工業力もあり、敵となる周辺国がなく、同盟国が多く、海のほとんどを制しているアメリカは世界の覇権を握っています。

経済などで中国の台頭がありますが、戦争経験と既に中国周辺部の太平洋や日本列島などを抑えていて海軍や空軍が圧倒的に強いアメリカの地位が揺らぐことは今後はないでしょう。経済力では中国で抜かれていてもです。

万が一アメリカと中国が戦争をするとアメリカは海と空を既に抑えられているので中国からアメリカに進行することはほぼ不可能です。

 

海洋国家と大陸国

海洋国家とは周りを海で囲まれている国のことです。古来から海を活用して資源などの交易を行いました。これらの国は海が生命線なので、必然的に海軍が強いです。海は陸よりも多く輸送ができますね。

海洋国家と呼ばれる国はアメリカ・日本・イギリス・フランス・イタリア・ブラジル・豪州などです。   

アメリカやブラジルは周りに強大な国がないので、ほぼ海洋国家です。

歴史的にはローマ帝国大英帝国インドネシアを植民地にしたオランダ、新大陸を支配したスペイン帝国ポルトガル帝国が当てはまります。

日本国内では平安時代の平家政権や琉球王国が当てはまります。

 

大陸国家とは回りを陸で囲まれている部分が多く、陸上輸送などで大きな役割を果たします。中世ではシルクロードでは交通輸送を支配したモンゴル帝国が覇権を握りました。

 

大陸国家はロシア・中国・インド・ドイツ・トルコ・イラン・エジプトなどが当てはまります。

歴史的にはロシア帝国ソ連、中国歴代王朝、モンゴル帝国イスラム帝国などが当てはまります。

日本国内では鎌倉幕府江戸幕府が当てはまります。

 

古代ローマ地政学

イタリアは温暖な気候で農地に適しています。また地中海の支配を独占していて、交通輸送を支配しました。

北部にはアルプス山脈があるため敵からの脅威を防ぎました。しかし、内部分裂やゲルマン民族大移動で滅びました。

分裂してできた東ローマ帝国はその後1000年続きます。交通の要所である首都のコンスタンティノーブル(今のイスタンブール)やギリシャなどを抑えていたのが大きかったのではないでしょうか。

首都の城壁の硬さが一番大きかったですが。

シルクロードの陸路交通でも中国との交流などローマ帝国の役割は大きかったです。

 

モンゴル帝国地政学

モンゴル帝国は機動力がある騎馬集団や火薬兵器などを武器に勢力を拡大しました。シルクロードを抑えたことにより東西の要所を支配し、経済を発展させました。

当時は日本は地政的には重要でなく、中国を狙っていました。中国は古来より人口や経済規模が圧倒的でしたからね。日本を攻めたのは当時黄金の国ジパングと呼ばれていたため、単に金を狙っていただけです。

モンゴル帝国はその後分裂し、元になりますが、14世紀頃には明に追い返されています。

 

明帝国地政学

古代中国は人口も経済も圧倒的ですが、王朝が滅ぶときはほぼ内部分裂です。また、古来から北方と東からの侵略に苦しんでいます。南は強い国が存在せず、西はインドという大国がいましたが、ヒマラヤ山脈のおかげでどうにかすることができした。しかし北の異民族や東の海賊集団に苦しめられます。中国分割の時はロシアと日本、日中戦争や今でもロシアや日本(アメリカ)を注視しています。

 

その明は万里の長城を築いて異民族の進行を防ぎつつ、南方遠征でアフリカまで進出しています。しかし北からは満州民族(清)の台頭、東からは日本の豊臣秀吉朝鮮出兵での財政悪化などで苦しむこととなります。その後増税などで民衆の不満が高まり、1644年の李自成の乱で滅んでいます。

 

清帝国地政学

明が滅んだあとには満州族国家である清が中国全土を支配します。そして東南アジアや朝鮮、琉球を従属させます。

インドは前述の通りヒマラヤ山脈があり、日本は海があるおかげで従属国にはなっていません。

この頃の中国は17世紀中頃から約150年は平和な治世を築きました。しかし人口増加での食料問題、銀の流出とアヘンの流入産業革命で台頭した西洋列強の外圧などに苦しみます。この時代になると海洋力や工業力が大きく関わることとなります。間接的に支配した国々は海からは英国・フランス・日本、北方からはロシアに取られてしまいます。

そして1911年、辛亥革命で古代から数千年続く中国の王朝の歴史に幕を閉じます。

その後の満州王朝は1932年に日本の傀儡として満州国として復活しますが、日本の敗戦と共に滅びます。

 

 

スペイン帝国地政学

15世紀後半には大航海時代に突入します。当時はインドの香辛料を目指して海を出ましたが、オスマン帝国が邪魔でした。そこで海からインドを目指そうとしたのが大航海時代です。

スペインはアメリカ大陸を支配したことで大量の銀などが手に入り、覇権を握ります。欧州内部でもイタリアや貿易として盛んなベネルクス地方(オランダなど)やポルトガルを支配しました。

北は山脈があったので侵攻は防ぎました。

 

しかしオランダ独立やイギリスとの海洋覇権争いで徐々に没落し、ナポレオン戦争でフランスに支配されたことがきっかけで中南米が独立し、さらに衰退しました。1898年には米西戦争アメリカに破れほとんどの植民地が失われました。

 

イギリス帝国の地政学

18~19世紀はほぼイギリスとフランスの覇権争いでした。ナポレオン戦争時代ではイギリスはインドなどを海から支配し、フランスは欧州諸国を陸から支配しました。

イギリスがナポレオン戦争に勝てた理由として海を抑えてフランスに打撃を与えたこと、産業革命でインドなどから原材料を輸入できたのが大きいです。

 

イギリスは植民地を増やすことで市場を拡大。中南米も貿易に依存させることで間接的に支配したことで大英帝国は黄金期を迎えます。スエズ運河も全世界のケーブルも銀行もイギリスが支配しました。

しかしアメリカやドイツ帝国の台頭で徐々に勢いがなくなり、ロシアを抑えるために1902年に日英同盟を結びました。

イギリスが危険視したのは欧州全土を支配する勢力です。その中でベネルクス諸国に独立保証をしました。それでドイツやフランスを牽制しました。

しかし二度の世界大戦でベネルクス諸国をドイツが侵略したため戦争となります。世界大戦の結果、国力を使いきることとなったため、冷戦以降では大国間の戦争はなくなりました。

イギリス自体は疲弊しきったため、独立運動が起こります。間接的に支配したカナダなどは外交自主権を認めます。1947年にインド独立で大英帝国は崩壊したと言えます。

 

ドイツの地政学

ドイツは周辺を大国で囲まれていました。ドイツ帝国時代にはイギリスと海洋利権や中東などの要所で対立し、第一次世界対戦となります。

ナチスが政権を握るとドイツ人が自給できる資源地帯や土地を獲得するため、第二次世界大戦となります。始めこそ成功しますが、ソ連やイギリスの二正面作戦、米国の物流力に屈してしまいます。

戦後のドイツはその反省を生かすためフランスに接近します。NATO設立などで西・中央ヨーロッパ内で戦争の凶器が消えます。

そして今のドイツは通貨ユーロを統合させ、経済的に他の欧州諸国を間接的に支配するようになりました。イギリスがEU離脱したのもドイツに支配されるのが嫌だったからでしょう。

 

大日本帝国地政学

日本が朝鮮半島に進出した理由はロシアからの侵略を恐れたからでした。もし朝鮮がロシアに支配されると日本本土が危うくなったので、その予防として朝鮮半島を支配しました。

アメリカが韓国に米軍基地置いていますが、赤化統一となると韓国の米軍基地が対馬か九州に集中し、日本の国防予算が増えるでしょう。

 

日清戦争からは日本は資源獲得のために大陸に進出していきます。日本は資源が少なかったため、満州事変を起こします。

 

アメリカから警戒された理由は日本がアジアの資源地帯や太平洋を抑えていることが理由です。アメリカが中国に進出する際には海軍が強い日本を抑えなければいけませんでした。 

そこで日本がインドシナに駐留したときには石油を禁輸します。さらに国力を弱めるために満州などの撤退要求をさせます。アメリカの石油輸入に頼っていた日本は追い込まれ、太平洋戦争が起こります。

初めは日本が有利でしたが、補給や交通ルートを軽視した日本は次第に物流が多いアメリカに追い込まれ、降伏します。

戦後日本はこの反省で米国との同盟を選びます。米国にとってもソ連や中国を抑えるために日本を重要視しました。海上自衛隊でも補給を軽視した反省を元としています。