大井川問題でリニア中央新幹線2027年開業は困難に。大井川の渇水の現状と工事が遅れてでも静岡県を通らない迂回ルートに変えてでも開通させるべき理由と効果は?
2027年静岡県の大井川問題により開通は迂回ルートを新たに計画しないと困難になりました。開通は2030年以降となりそうです。
リニア中央新幹線のルート
まだリニアについて詳しく知らない人向けに説明すると、今回のリニア新幹線の計画は品川から名古屋を結ぶ路線です。停車駅は品川・相模原・甲府・飯田・中津川・名古屋となります。
基本的にはJR東海の単独事業となっています。
まず静岡県大井川問題とは?
ルート途中で静岡県が通りますが、静岡県に駅は設置されません。しかも茶の生産が盛んな静岡県にとっては大井川の豊かな水が流れなくなる恐れがあるので大打撃です。既に渇水が起きています。既に他の農業や県民への水の供給にも影響が出ています。
静岡県にとっては生命線です。
今ナイル川のダム建設を推進するエチオピアと水資源枯渇の懸念が出るエジプトが対立しているのと同じです。
そのため静岡県を通る路線は県知事は許可しておらず、唯一着工されていません。
静岡県にリニア開通のメリットはあるのか?
環境問題だけでみればメリットは少ないように見えます。しかしリニア開通するとひかりやこだま(静岡県内に停車)の本数が増える余地が生まれます。
現状では新幹線の本数があまりにも多いため増発する余裕はありませんでした。しかしリニア開業するとのぞみの本数は減少するため余裕が生まれます。
今のひかりやのぞみは高齢者や外国人観光客(今はコロナで外国人観光客はほぼゼロしかいないけど)の利用が多く、席に座れるのが難しいほどです。
まだ決まってはいませんが、遅くとも新大阪延伸すれば増える可能性があります。
なぜJR東海はリニアを建設したのか?
国鉄民営化以降、JR東海は東海道新幹線利用客の大幅増加によって大きな恩恵を受けます。利益額はJRでもトップです。
しかしドル箱と呼ばれる東海道新幹線は老朽化と南海トラフ地震などの大きなリスクを抱えるようになります。しかも輸送人員が1日1億人と輸送力が追い付かなくなっています。
しかしコロナによるテレワークや自粛の影響で人は減りました。それでも現在は乗車率50%と人手は戻りつつあります。どっちにしろ輸送力の問題で必要となりました。
人は呼び込めるのか?
東京~名古屋間の利用が年間1億人と考えたらうち半数は流れると推測されます。
プラスで甲府や長野南部地域の利用客や名古屋~東北間の飛行機利用客、東京~西日本間の飛行機利用客が流れます。
と考えたら他の新幹線よりは多くの乗客は見込めます。
リニア開業が効果ある理由~新大阪まで延伸すればリニアの利用者はさらに確実に増える訳
先ほどの名古屋にも述べましたが、東海道新幹線の利用客が半分流れます。大阪に延伸したらそれだけで年間1億人は見込めます。
人口減少の時代ですが、三大都市圏の人口は依然多いことに変わらない状況になります。それどころが2045~50年に鉄道1時間圏内の6000万人の巨大人口圏が生まれます。
品川~新大阪まで所要時間70分なので東京から大阪までやろうとすれば通勤ができます。
また東京から博多・高松までは4時間以内にリニア+新幹線で着くようになるので山陽新幹線の利用増加。また大阪~東北間も然り。
対西日本への需要などを考えたら新規利用や飛行機利用者が流れる形となるでしょう。
新大阪延伸という長期的な視野で見ると名古屋開業はあってもいいですね。
費用対効果(B/C)は?
リニアは建設費も維持費も新幹線より高いです。
しかし B/C効果は東海道新幹線と同じ料金の場合、品川~名古屋間は1.2、品川~新大阪駅間は1.5と1を超えているため、投資が正当化になる数値が出ています。リニア料金は6%上がるので数値は実際はもう少し上がると思います。
まとめ
結論から言って大井川問題を解決してから建設すべきです。合意が厳しいことを想定して静岡県を通らない迂回ルートの計画や調査を同時平行でやるべきです。同時に東海道新幹線の静岡県内停車増加をさせる。
ただ静岡県にリニア開通のメリットはないかといえばそうではありません。双方の同意の上で建設をしてほしいですね。