米国民主党大統領選挙予備選の情勢(スーパーチューズデイを振り返って)
2020年7月に民主党の大統領候補が指名され、11月には現職のトランプ大統領と戦うこととなります。
主な主要候補一覧
ジョー・バイデン(77)前副大統領。40年以上民主党議員として活動し、オバマ政権では副大統領を勤めた。中道寄りでTPP推進。しかし、息子がウクライナ疑惑でトランプに叩かれる。主にアフリカ系や中高年の支持が厚い。
バーニー・サンダース(78)上院議員。30年以上無所属議員を勤めた。91年の湾岸戦争には唯一反対し、一人で長時間演説をした。奨学金チャラや国民皆保険、教育無償化実現のために富裕層の増税を主張。急伸左派。若者の支持が高い。
マイケル・ブルームバーグ(78)前ニューヨーク市長でトランプよりも億万長者。均衡財政・自由貿易推進。2020年1月に出馬を表明し、多額の資金力を武器にスーパーチューズディから参戦。支持率はあるが、過去に差別発言したこともあり、苦戦か。→撤退
エリザベス・ウォーレン(70)上院議員で女性候補。大学教授を務め、オバマ政権下では大統領補佐官などを務める。極度のウォール街嫌いで国民皆保険や法人税率を21%から35%への増税を主張。富裕層に10年で6兆ドルの増税も。→撤退
ピート・ブディジェッジ(38)大統領選挙出馬時に同姓愛者と公言。ハーバード大学卒業後、英国のオックスフォード大学に留学。アフガンへの駐留経験あり。サウスベンド市長を8年務める。幅広い支持がある。3月1日に撤退。
予備選前
当初はオバマ政権下で副大統領を務めたバイデンが本命で、4年前の予備選でヒラリー・クリントンと最後まで争ったサンダースが対抗の形でした。
しかし1月からはブティジェッジ急伸。中道寄りの政治家で討論を気に若さなどで支持が伸び、一時期はサンダースと支持率を争うまでになりました。アイオワ州の最初の予備選では激せんの末にサンダースに勝利。
しかしブルームバーグの参戦やバイデンが勢いを取り戻したことにより、サンダースが独走状態に。
29日のサウスカロライナの選挙では黒人層の支持が根強いバイデンが圧勝。
中道候補が撤退しバイデン支持を掲げているため、今ではバイデン
スーパーチューズデーの結果
バイデン復活。バイデンは南部中心に9州、サンダースはカリフォルニアなど4州制しました。
ブルームバーグは1州制しましたが大金投じた割には結果を残せず。ウォーレンは伸び悩みました。
主にアフリカ系やキリスト教福音派など穏健派が多い南部を中心にバイデンが勝利。中道勢力がサンダースを警戒してバイデンに票が多く流れました。
現在の獲得代議員数(3月6日現在)
バイデン(627)
サンダース(551)
ウォーレン(64)→撤退
ブルームバーグ(60)→撤退・バイデン支持
その他(バイデン支持)(35)
今後の情勢
候補者が次々と撤退しバイデンとサンダースの事実上の一騎討ちとなりました。
中道派が次々と撤退しバイデンを支持し始めたのでバイデンがやや有利になるのではと思っています。
ウォーレンは誰を支持するか明白にしていないものの、大半はサンダースに流れるでしょう。
ただサンダースもバイデンも民主党大会で過半数にいかなかった場合だとバイデンになる可能性が濃厚です。
サンダースが無所属での出馬
万が一バイデンが指名された場合、年齢を考えるとサンダースが無所属で立候補する可能性があるでしょう。
のちに「バイデンvsサンダースvsトランプ」のシナリオについて出してみようと思います。