大阪都構想と東京特別区、二重行政について
二重行政とは
2020年秋に大阪市の特別区移行に関する選挙が行われます。大阪府と大阪市では長年に渡り対立してきましたが、2011年のダブル選挙で維新系が府と市のトップになると、ようやく対立がなくなりました。
二重行政は権限の強い政令指定都市と県の所管業務が重複することです。分かりやすく言えば、大阪府立大学と大阪市立大学の二つが存在するものと思ってください。
二重行政の弊害
1990年代に大阪府と大阪市で別々の街開発をした結果、大阪府と市の方向が定まらないなどの問題が起き、財政悪化の結果になりました。これらは大阪以外でも多く起きてましたので無駄が一番の原因だと思っています。
大阪市の人口は270万人と市長一人ではそれぞれの区の反映ができないデメリットがあります。そのために大阪市は東京特別区のような都構想、横浜市では以前は神奈川県から独立して横浜市が県並みの権限を持つ特別市設置を主張していました。
二重行政の弊害は愛知や福岡などで起きていますが、大阪は特に酷かったそうです。
東京市と東京特別区の歴史
明治から東京市は設置され、戦前にかけて周辺部を吸収合併し、今の東京23区並みの広さになりました。
しかし日中戦争やアジア・太平洋戦争に突入すると人口が670万人と増え、あまりにも規模が拡大しました。そのため、行政を効率化させるために東京府と東京市は内務省によって無理やり廃止され、戦時中の1943年に東京23区となりました。その結果、東京都主導による23区のインフラや開発によって今の一極集中に繋がります。
東京23区・大阪市とその他自治体の違い
維新の会は都構想や特別市に関しては自治体の事情に合わせるべきだと言っています。なぜ維新は大阪市を特別区にするのか?
各地域の都市圏の分布と政令指定都市を見ると兵庫や福岡などは県の中に都市圏が入っている状態です。
一方東京や大阪では県がまるごと都市圏に入っていることがわかります。しかも東京や大阪(名古屋も?)の都市圏は他県も含めているので、大きな地方の代表都市圏の役割を担っていることになります。
となると、大阪の場合は府と市バラバラよりも一つにした方が都市は発展するというのが維新の見解なのではと思っています。
事実、維新の会の創設者である橋下徹元代表は「横浜市は大阪市より人口は多いが、事実上の東京の衛星都市だから特別市が望ましい」と言っていましたね。事実、横浜市は横浜より人口が少ない大阪や名古屋市などよりもGDPや税収が少ないです。
特別区に移行したら
特別区に移行すると政令指定都市としての権限や財源の一部が大阪府に移り、政令市としての権限はなくなり、財源は2割は大阪府に流れます。
その代わり、5つの特別区が誕生し、住民が独自に区長や区議会議員を選ぶことになります。大阪市議会は維新が過半数くらいを握っていましたが、特別区になると難しくなるでしょう。
特別区の上に、中核市並みの権限を持つ事務組合がおかれるでしょう。また区長独自に予算を組んだり、行政を執行することができるようになります。
まとめ
私個人の見解は大阪都構想も特別市設置も住民の移行次第との立場です。様々なメリットデメリットはあるでしょう。
しかし、スコットランドやカタルーニャなどのように権限を与えすぎることには反対です。その結果、通貨発行権がないため緊縮増税せざるを得ないこと、独立運動や外国人参政権授与ということが起こりましたからね。