零ノ至港

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解雇規制緩和と同一労働同一賃金、失業者へのセーフティネットについての案

今の雇用や労働情勢

 

最近のニュースで富士通やローソンなど大手企業が"黒字退職"を実施する企業が続出しています。黒字なのにも関わらず将来不安などの理由で実施されてるみたいです。

 

退職金を割増にして40~50代社員を退職させる一方では、新卒で正社員に入社し辞めてしまう若者が非正規状態になってしまう現状や年齢制限により就活が厳しいロスジェネ世代もいます。正社員になれても転職先がブラック企業だったり......

中小企業従業員はそもそも退職金すら少ないか貰えないか...

 

このような現状を見ると今の日本は再チャレンジできる環境が整ってるとは言えないですね。

 

雇用の歴史

昭和時代の日本は終身雇用の時代でした。順調に経済成長した頃は普通に進学すれば就職でき、ローンを組めるし家も車も買えれる時代でした。労組も当時は強く、労働者の権利や賃金などをめぐるストライキなども今より起きていました。

しかしバブル崩壊後終身雇用の弊害が生まれます。気楽に人員整理ができず成果給があまり貰えず、コストの問題で多くの企業は非正規雇用へ走ります。正社員を気楽に解雇できない結果、非正規雇用へ走ります。そして終身雇用から成果主義の時代になります。

労働組合はその後連合となり、消費税増税賛成など経団連御用組合化します。労組の加入率低下により、権利が守られにくいこととなりました。

一方中小企業では切り捨て解雇が起き、退職金が貰えず。

その後アジア金融危機などで今の30代後半~40代後半の人が就職難に苦しむロスジェネ世代が生まれます。彼らは就職ができないかできてもブラック労働、非正規か派遣かに流れることとなります。

 

2001年小泉政権は金融緩和を行います。効果は生まれ、株価の値上げや雇用増加が起きます。よく正社員を減らしたと言われますが、実際正社員雇用は増えています。一方、派遣法改正などで雇用は確保はされましたが、正社員との格差は大きいのが現状です。

リーマンショックでは正社員ではなく、非正規や派遣社員が優先的に切り捨て解雇され大打撃を受けます。

 

その後2012年安倍政権は異次元の金融緩和をし、株価や雇用が爆増し、

就業者数は6300万人から2020年1月には6848万人に増加、うち正社員が280万人増えています。特に女性や高齢者雇用が増え、失業率はバブル並みに下がっています。

しかし大企業と中小企業、正規非正規との格差は問題で前述の通り黒字解雇が起きているのが現状です。

大企業はまだ終身雇用が残っているのが現状です。しかしトヨタ社長は「終身雇用維持は困難」と発言したので、解雇規制緩和の議論がでるのではないでしょうか?

 

実際小泉政権でありましたが、結局実行されず派遣法改正と中途半端な結果となりました。2013年の安倍政権でもありましたが、それ以降は議論が生まれていません。

 

欧米諸国の解雇ルール

日本では導入されていませんが、欧米諸国は既に金銭解雇ルールが導入されています。デンマークなどでは解雇ルールがある代わりに正社員と非正規の格差がないのが現状になっています。

今の現状中小企業でも退職金がないか少ないかになっているうえ、切り捨て解雇が起きています。

中小企業でも非正規でも金銭解雇ルールにより新たに退職金が貰える制度です。

他国の事例として

 

アメリカ:雇用契約上の損害、差別・ハラスメント禁止法令に違反する解雇には最大約3000万円

ドイツ: 上限は原則12カ月、最大18カ月(多くのばあい上限の範囲内で勤続年数×月収、年齢に応じて)

スペイン:上限は24カ月分の給料で33日分の給料×勤続年数

デンマーク:上限は30歳未満の従業員で半月分の給料、30歳以上の従業員は3カ月分の給料、勤続年数15年以上は6カ月分の給料など(通常は上限の半分から3分の2程度)

 

メリットとしては解雇規制緩和による労働市場流動化で転職が容易になれば、ブラック企業は淘汰されます。そうなるためには労働者や失業者への給付が必要ですね。でないと流動化はされないでしょう。中小企業や非正規にとっては解雇規制緩和ではなく、事実上の解雇規制強化で大企業正社員だけは解雇規制緩和となります。

 

解雇規制撤廃について

よくリバタリアンあたりは退職金廃止しろだの解雇規制撤廃だけでいいとの声がありますが、ルールなどまともな保障がない現状、雇用流動化がすすまないでしょう。米国型は解雇規制がないが保障はない(罰則はあるけど)のに対し、欧州型は明確なルールがあります。失業者への手当も北欧が米国よりも多く、生産性アップに関わっています。

失業率が低いからどうせ職に就けるから手当ては不要と言われますが、希望する職種に就けるかどうかで、生活保護が増えることを懸念しています。

デンマーク型労働者保護

個人的にはデンマークのような労働者や失業者を保護する制度がベターだと思っています。黄金の三角形を作り、生産性向上と人生のやり直しが何度もできる社会にしていきたいと考えています。

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BIとセットして手厚い失業給付の充実させ、使用者にとって不況の時に解雇をさせやすくします。そして教育機関などと連携して職業訓練の質の強化し、訓練を受ける人への手当てを厚くします。訓練で労働の質の強化と中途採用枠の拡大、そして正規非正規を容易に移動しやすくすることによってミスマッチを減らす。同一賃金の実現をさせ、正規非正規の格差の是正と柔軟な労働市場を実現させて経済成長に繋げます。

 

正社員と非正規の格差

日本では正社員と非正規の賃金格差は大きく、福利厚生も違い、解雇規制に関しても非正規は事実上ないに等しいです。

フリーランスや派遣など働き方が多様化している現状では同一労働同一賃金の導入で格差是正です。

実際公務員でも非正規の公務員と正規の公務員の格差は約400万円くらいあるのが現状で、非正規公務員は窓口などで苦情を聞かされたりなどで苦しんでいるのが現状です。そして退職金や手当はゼロか少なめが多いです。

労働組合のあり方

欧州では産業別で組合がある一方、日本では企業別組合が多いです。正直企業だけの組合では中小企業の場合、要望に答えれるのには不安だし、労組に加入できない中小企業従業員が多いのが現状です。欧州諸国では加入率8割に対し、日本では2割です。

ドイツなど労組が強い国では長時間労働規制など労働者にとってよりよい環境になっていますね。かといってフランスみたいに強すぎるのはまずいですが。。

 

日本で導入するとしたら

・新卒一括採用は継続しつつ、中途採用や通年採用を拡大する

金銭解雇ルールでは最低限、年数×月収(最低3ヶ月or60日上限20年)×1.1と定める。自己都合での退職の場合はさらに0.8をかける。

・ジョブ型雇用導入

・年齢制限を撤廃する

・不当な解雇やセクハラなどが起きたときには罰則化する

・大中小正規非正規派遣など関係なく労働組合の加入義務化

・正規と非正規の待遇などの格差是正
・正規非正規共に法律で定めた退職金を支払う
デンマーク並みの失業者へのセーフティネット充実
・企業組合から完全産業別組合に移行
・基本給を抑えつつ、成果給拡張
・残業時間の規制強化

同一労働同一賃金の実現

ですかね。。。