零ノ至港

主に政治・経済など思ったことを言うブログです!noteも書いております!http://note.com/japgijastis@japgijastis

レバノンのデフォルトの要因と戦前戦後と現代日本の財政

コロナウイルスが蔓延するなか、2020年3月8日レバノンがデフォルトしました。ただでさえ政情不安で大変なのに、レバノンへ亡命したカルロスゴーンさん大丈夫ですかね?

 

GDP費債務170%のレバノンがデフォルトするなら日本はもっとヤバイと言う人がいますが、基本的に起こる可能性はゼロです。今回はレバノンと今の日本の違い、敗戦後の日本のハイパーインフレについて解説していきます。

 

レバノンはなぜデフォルトしたのか

一番の要因は外債であることです。外貨通貨建て国債は外国の通貨を発行して返済することはできません。政情不安の次に大きな要因だと思います。レバノンは外債のため破綻することとなります。2010年のギリシャもそうでした。

 

その次は固定相場制である点です。自国の通貨を別の国の通貨と同じ価値に固定する制度です。固定相場制は株価や為替の変動を受けない代わりに一定の外貨準備高を保有をしなくてはなりません。変動相場制に移行するのが望ましいですが、レバノンの場合は通貨価値が暴落しますからね。固定相場制は実質外債と同じです。多くの先進国は変動相場制を採用しています。

 

次の要因は政情不安だと思います。レバノンでは隣国シリア内戦で難民が多数流入し、ISILが勢力を増していました。(今はいないけど)

さらに政治の腐敗による反発で大規模なデモや暴動が起きてたりしました。レバノン国民はカルロスゴーンが入国したときに政府と一緒に叩かれましたからね...。

 

そのためレバノン政策金利が10%とカザフスタンミャンマーなどの途上国並みに高いです。金利が低い国ほど安全資産な傾向でスイスの金利は-0.71%、北欧でゼロ金利、日本は既にマイナス金利に突入し-0.1%です。

 

インフレ率自体は2010年代前半はデフレの時期がありましたが、2017年には4%、18年には6%、19年には3%と着実に上がっていきました。インフレ率2%を超えているのである程度の支出抑制や緊縮策は必要でしたね。しかし大規模なデモや暴動がすでに起きていたレバノンでやるとさらなる惨事になっていそうですね。

 

デフォルトしたとはいえカルロスゴーンみたいな金持ちからとれば返せますが、それが見込めないため預金封鎖か大緊縮大増税はされるでしょう。

 

日露戦争の日本財政

20世紀初頭の日本は日露戦争に向けて軍事費を増やすため紙幣を大量発行しました。日露戦争の費用は総計で約20億円でした。当時の国家予算は2億5000万円だったので、8年分です。この内14億7329万円は国債で補われ、残りは増税です。日銀資産は当時は1億円と莫大な戦費を考えるとインフレ率的に引き受けには無理がありました。日清戦争で勝ったとはいえ当時の日本のGDPアメリカの1/8、イギリスの1/4でGDPに占める軍事費は欧米列強よりははるかに高かったです。

 

14億7329万円は国債の内13億円が外債で消化され、外国に引き受けてもらったのです。インフレ率は5%です。当時は戦局がロシア有利で外国から引き受けるのが今より遥かに大変でしたが、幾度の勝利と高橋是清による尽力でなんとか引き受けることはできました。もし日本が日露戦争に負けたら、外債返済に苦しみ大緊縮か大増税ハイパーインフレになり、列強から半植民地支配されたでしょう。

 

戦費は莫大かかったので国債返済のため、戦争後にはインフレ率が10%まであがり、国民には増税されました。

 

戦前・戦後日本の財政

世界恐慌で日本は大打撃を受けますが、高梨是清財務相が金融緩和や金輸出禁止などで不況からいち早く脱しました。さらに今の安倍政権で行われている国債の日銀引き受けもやりました。しかしインフレ率は1.9%まで上がります。そのため歳出削減するため軍事費を減らすことにします。が、軍部の反感を買い、2.26事件で暗殺されます。

 

2.26事件後には軍部の影響力が増大し、軍事費増大で日銀引き受けが増えます。日中戦争から国家総動員法が可決されると供給力不足で物価が上昇、戦争末期となると空襲で生産が破壊され、1945年にはインフレ率200%になりました。

 

終戦後も供給不足でハイパーインフレはとまらず日本は預金封鎖を行います。さらに財産税導入で債務返済を行い返済されます。

物価は1945年から4年で4倍に上がります。

 

その後赤字国債発行が原則禁止とされ、大平内閣までは発行されませんでした。その大平首相本人も1979年ごろに「国債発行は将来世代の負担だから消費税5%導入する」と言いましたが実現されませんでした。

 

現代日本の財政

その後国債はどんどん発行され、財政破綻の危機が30年前から叫ばれましたが、破綻されることはないみたいです。なぜなら 

  1. 当時とは違い変動相場制
  2. マイナス金利・低金利
  3. 需要不足・供給過剰
  4. 通過発行権がある
  5. 外貨資産350兆円
  6. 国民の資産1800兆円
  7. 政府資産900兆円
  8. 日銀が毎年80兆円刷ったが、インフレ率は1%

などなど

 

経済学に関しては大まかは知ってるくらいで詳しく説明できる自信はないので、詳しくはツイッターの反緊縮派の見解を聞いてください。

 

レバノンはこれらの条件を満たしていなかったため、デフォルトしたでしょう。

 

現在の日本のインフレ率は約1%です。その要因の大半は消費税増税原油高騰、輸入品の値上げなどのスタグフレーションです。それに今の政府は貧困問題やコロナなどがあるのに財政出動しているとはいえません。

 

あまり景気は良いとはいえないのが現状なので、そのために通貨発行して国民の暮らしを向上に使えばスタフレなどの問題は解決されるでしょう。